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離婚と自己破産 離婚後に自己破産をされた!

2020年8月5日 | admin

夫の不倫が原因で、離婚することになった…

 

慰謝料については分割払いにして,養育費と合わせて支払ってもらうよう取り決めて離婚した…

 

しかし、その後、元夫が自己破産をすることとなってしまった。

 

慰謝料は今後もちゃんと支払ってもらえるの?

 

養育費はどうなるの?

 

 

といった疑問をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。

 

以下では、慰謝料や養育費だけでなく財産分与も含めて、離婚と自己破産について、解説していきます。

 

【元夫が自己破産した場合の離婚協議書規定の支払いについて】

 

慰謝料について

 

元夫が自己破産した場合、慰謝料に関しては、残念ながら基本的には免責の対象となる、すなわち、元夫の他の債務と同様に、不貞行為に基づく慰謝料や離婚慰謝料等については、元夫は支払わなくてよくなります。

 

もっとも、「悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」や「故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」については、非免責債権となり、自己破産したとしても、支払わなければならないものとなります(破産法253条1項2号、3号)。

 

例えば、DVを原因とする慰謝料請求権については、免責される可能性は低いものといえます。

 

 

養育費について

 

養育費も、非免責債権に該当するので(破産法253条1項4号)、元夫が自己破産をしても、継続的に支払わなければなりません。

 

ですので、元夫が自己破産を理由に養育費の支払いを拒否することはできません。

 

 

財産分与について

 

分割払いとされている場合

 

財産分与とは、①夫婦が婚姻中に協力して蓄えた財産の清算、②一方当事者に対する離婚後の扶養、③離婚の慰謝料といった3つの要素を兼ね備えています。

 

そして、①③の要素を主として検討された財産分与請求権につきましては、非免責債権に該当しないので、破産時に免責されることになります。

 

②については、非免責債権に該当するといえる余地はあります。

 

しかし,財産分与とは、基本的には①を中心に検討がなされますので、実務上、原則として財産分与請求権は免責されてしまうことになります。

 

したがいまして、財産分与が分割払いとなっている場合には、破産後の財産分与請求は原則として免責されるということになります。

 

離婚成立時に一括払いがなされ、その後破産した場合

 

破産前に離婚が成立し、財産分与の支払いも終了している場合には、基本的には問題となることはありません。

 

ただし、財産分与により得られた金額があまりに高額であったりした場合には、否認の対象になる可能性があります。

 

 

 

以上が、離婚後に元配偶者が自己破産した際の支払関係についての説明でした。

 

仮に、公正証書にしておいたとしても、元配偶者が自己破産をすると、養育費を除き、金銭的な請求権は基本的には免責となってしまいますので、離婚後の支払いについて分割にする際には、できるだけ短期間で支払いが終わるようにすることが望ましいです。

 

弁護士 正木 耕平